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心の病気についての基礎知識
1.統合失調症とは?
統合失調症とはどんな病気?
統合失調症は、こころや考えがまとまりづらくなり、行動や気分、人間関係などに影響を及ぼす病気です。日本では約100人に1人がかかるとされ、決して珍しい病気ではありません。
統合失調症の主な症状
統合失調症の症状は、大きく「陽性症状」、「陰性症状」、「認知機能障害」に分けられます。■陽性症状:健康なときにはなかった状態が現れる症状です。
幻覚:実際には存在しないものを感じることで、特に他の人には聞こえない声が聞こえる「幻聴」が多く見られます。
妄想:周囲が否定しても信じてしまう誤った考えで、例えば「誰かに嫌がらせをされている」「誰かに監視されている」と感じる被害妄想などがあります。
思考障害:思考が混乱し、会話がまとまりを欠くことがあります。
妄想:周囲が否定しても信じてしまう誤った考えで、例えば「誰かに嫌がらせをされている」「誰かに監視されている」と感じる被害妄想などがあります。
思考障害:思考が混乱し、会話がまとまりを欠くことがあります。
■陰性症状:健康なときにあった状態が失われてしまう症状です。
意欲の低下:無気力になり、身の回りのことに関心を持たなくなることがあります。
感情表現の減少:感情が表に出にくくなり、無表情になることがあります。
社会的引きこもり:他者との交流を避けるようになります。
感情表現の減少:感情が表に出にくくなり、無表情になることがあります。
社会的引きこもり:他者との交流を避けるようになります。
■認知機能障害:記憶力や注意力、計画力などが低下することがあります。
統合失調症の経過
統合失調症の経過は個人差がありますが、一般的には「前駆期」「急性期」「休息期(消耗期)」「回復期(維持期)」の段階を経ます。1.前駆期:軽い不安や集中力の低下、睡眠障害などがみられます。周囲は「普段と何かが違う」と感じることがあります。
2.急性期:幻覚や妄想、思考障害といった症状がはっきり現れる時期です。生活に大きな支障をきたします。
3.休息期(消耗期):激しい症状が落ち着いてきますが、無気力や意欲の低下(陰性症状)が目立ちます。心身ともに疲れが強く、十分な休息が必要な時期です。
4.回復期(維持期):徐々に症状が改善し、少しずつ社会復帰が可能になります。リハビリテーションや心理社会的治療が重要になります。回復までの期間は人それぞれで、数ヶ月から数年に及ぶこともあります。
統合失調症の治療法
薬物療法:統合失調症の治療は主に薬物療法が基本となります。抗精神病薬などを使用し、脳内の神経伝達物質のバランスを整えます。これにより、幻覚や妄想などの症状を抑えることが期待できます。 症状が軽減しても、自己判断で薬を中断せず、医師と相談しながら継続することが重要です。
心理社会的治療:
薬物療法に加えて、心理教育、社会技能訓練、認知行動療法などの心理社会的治療を組み合わせることで、再発予防や社会復帰を支援することができます。
心理教育:
本人や家族が病気について正しく理解し、適切に対応できるようになることを目的とします。症状の特徴や治療方法、再発の予防法などを学ぶことで、不安や戸惑いが減り、安心して治療を続けることができます。
社会技能訓練:
Social Skills Training(SST)ともよばれます。日常生活や社会生活で必要となるコミュニケーションや人付き合いの技術を、ロールプレイ(役割練習)などを通じて身につける訓練です。人間関係が円滑になり、自信を持って社会復帰できるようサポートします。
認知行動療法:
認知行動療法は、自分の考え方や行動を振り返りながら、症状への対処方法を身につけていく心理療法です。統合失調症の治療においては、特に、幻聴や妄想などの症状とうまく付き合う方法を身につけ、ストレスに対処する力を高めていきます。
適切な治療とサポートにより、統合失調症は回復が可能な病気です。早期の対応と周囲の理解が、患者さんの社会復帰を後押しします。